LARGO

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ピアノの撮影

1、演奏を撮影すること

Q. この人は何をしているでしょう?

記録ビデオの撮影はクイズではない。一目で何をしているのかわかるように撮りたいものだ。
しかし、吹奏楽の撮影で上のような映像を撮ってしまうカメラマンが実際にいた。

上の絵は編集時にとても使いづらい。

下の絵のように、

楽器の演奏の撮影であればこのぐらい楽器もコミで撮ってくれたらうれしい。
見ている人が頭を使わなければならないビデオでは音楽に集中できないと思う。

というわけで、本題、ピアノの撮影、最低限ピアノの演奏とわかる条件として「鍵盤が画面に入っている」は必須だと思う。

演奏を見たいと同時に演奏者の顔が見たいというのが多くの人の感覚だと思う。
演奏(手元)が見え、かつ、なるべく顔が見える(顔を撮れる)位置にカメラを設置したい。

カメラのポジションを決めるうえで重要な見え方の違いを説明しよう。

舞台に向かって右(業界用語で「上手(かみて)」といいます)へ行くほど、顔は見やすくなる。

ABC各カメラポジションから撮れる絵を示す。

Cの位置なら、顔は見やすいが、鍵盤は見えなくなる。
Aの位置は顔は見えにくいが、演奏自体(鍵盤、ペダル)はよく見える。

↑撮りたいのはこんな絵。
会場に入り、機材準備に入る前に、鍵盤が見え、かつ、なるべく顔も見えるカメラポジションをまず確保してもらいたい。
ほとんどの会場では客席後方、正面あたりになると思う。

客席の前のほうでは、カメラの高さが低くなり、鍵盤が見えなくなってしまう。
会場によっては客席後方でも高さが十分にない場合があり、カメラを高く上げる工夫が必要だ。

2、カメラのフレーミング

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ピアノの撮影

3、カメラ2台のメリット

まずは2つの動画を見比べてほしい。

上の動画のほうが良いと思っただろうか?
下の動画を撮影したカメラマンは実はヘタではない。編集を考えて撮っているのだ。

カメラ2台で撮影して編集すると以下のようになる。

カメラマンになりたての人、カメラマンを目指す人に意識してもらいたいことがある。
撮影はカメラワークを見せるためにするものではない。
的確に撮影対象を撮影できてこそである。

1つ目の動画よりも3つ目の2台編集の動画のほうがじつはお客さんに喜ばれる。
なぜなら演奏の開始とともに演奏者全身の映像となり、
一つ目の動画よりもずっと早いタイミングで演奏者のアップが見られる。
ペダルの操作が見たいときには再び全身の映像に切り替わる。

なるべくストレスなく、見たいときに見たいものが見られる。そんな動画制作を意識したい。

4、全身用カメラの重要性

前項で少し触れた、足元まで入れた全身の映像、
これはピアノ演奏の撮影においては是非ほしい映像である。

ピアノはペダルの踏み方次第で演奏が全然違ってくる。
曲にもよるが、ペダル操作も見たい場面は多い。

前頁の第1項で鍵盤込のアップのカメラポジションについて説明したが、その隣に全身用のカメラを置きたい。

カメラを2台並べて置くと、カメラマン1名で2台のカメラを操作できる。
2台のカメラを同時に動かすことはない。というか、同時に動かされると編集できない。

どちらの隣かというと、手元足元が見やすい、舞台に向かって左側(業界用語で下手(しもて))が望ましい。

この全身のカメラは「これさえあればなんとかなる」編集のベースとなる。
ピアノの演奏の撮影は、この全身の映像さえあれば成立するのだ。

この全身の映像を軸に、もう一方のカメラで「よりアップ」や、演奏の前後では「舞台全体のヒキ」を撮っていけば、より見やすい、わかりやすい映像になる。

ダンスやオーケストラの撮影だと、舞台全体のヒキ映像が編集のベース、ほぼ固定カメラになることが多い。
カメラマンによっては、ヒキ映像=安全パイ=ほぼ固定カメラと思い込んでいる人もいる。

が、ピアノに限らず「必要十分な情報を含んだ絵」がベースになるという考え方をしてもらいたい。
場合によっては、+αのほうのカメラでヨリヒキしたほうが撮りやすいのだ。

次ページで編集を意識した撮影を説明する。

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ピアノの撮影

5、2台カメラによる撮影の実際

カメラB タイトルバック ヒキ

カメラB 演奏者登場 ヒキ

カメラA おじぎ 全身

カメラB 演奏準備 ヒキ

カメラA 演奏開始 全身

カメラB 演奏中 ヨリ

演奏中はカメラA(全身)とカメラB(ヨリ)を編集で適宜切替

カメラA 演奏後おじぎ 全身

カメラB 演奏者退場 ヒキ

カメラAは演奏者の全身専用とする。場合によってはほとんど動かさずに済む。 

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ホワイトバランスってなに?

1、概要

カメラの色の基準を設定する機能。メーカー、機種によって操作方法や設定可能な範囲に差はあるが、すべてのビデオカメラに搭載されている。
機能や活用法詳細は各自調べてもらいたい。

当記事で言いたいこと
ホワイトバランスがうまく設定されていないとビデオに収録される映像の色がおかしくなる。
「後処理で調整するの大変だから撮影時に合わせてね」ということだ。


ホワイトバランス適正例


ホワイトバランス電灯光に設定


ホワイトバランス屋外(太陽光)に設定

2、ホワイトバランスの設定

ビデオカメラのメーカー、機種により設定方法が異なるので各々取扱説明書をみてほしい。

オート、屋外(太陽光)、電灯光、蛍光灯など、光源・状況に合わせたプリセットのほか、
業務用機では色温度設定、マニュアル設定ができるものが多い。

具体的に何をやるかというと、ビデオカメラに色の基準を覚えこませる。

この光源、状況下ではこの色が「無彩色の白」だとカメラに見せてやるのだ。

マニュアルで設定可能なカメラの多くは、白いもの、例えば白い紙、白い服、白い壁等にカメラを向け、
白いものがなるべく画面いっぱいになるようにズームして、
ホワイトバランスセットボタンを押すとホワイトバランスが設定される。

ホワイトバランスを設定する対象に色がついているものを選ぶと、カメラがその色が無彩色の白だと認識して、映像全体が逆の色相に引っ張られる。

3、オートにすると・・・

ホワイトバランスをオートにすると、画像全体の色バランスを平均化して、刻々と色が変化するため、
可能な限りプリセットかマニュアルでホワイトバランスを固定しておきたい。


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